道尾秀介のミステリー「雷神」レビュー

道尾秀介「雷神」

今回読んだ本は、

道尾秀介著

新潮社 発行

「雷神」

道尾秀介さんは初めて読む作家さんです。

2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞を受賞し、デビュー。

07年『シャドウ』で本格ミステリー大賞、09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞、10年『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞、11年『月と蟹』で直木賞を受賞。他の作品に、『向日葵の咲かない夏』『片眼の猿』『ノエル』『獏の檻』『透明カメレオン』『いけない』『N』『きこえる』、犯罪捜査ゲーム『DETECTIVE X』などがあります。

「雷神」あらすじ

あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかった。

埼玉で小料理屋を営む藤原幸人を襲った脅迫電話。

電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見から遠出の提案を受ける。

新潟県羽田上村、幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。

母の急死と村の権力者の毒殺事件。

幸人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を覚まし…。

最後の一行まで最上級の驚愕が続くミステリ。

読み終わって

30年前雷電神社で行われていた祭事、神鳴講から始まった事件

母を失い翌年その子供たちが雷に打たれるという事故が起こり

生まれた土地を離れ埼玉で新たに小料理屋を営み再スタートを切った家族に

30年を経て見知らぬ男から脅迫を受ける。

30年間で起こったことなども踏まえながら

謎を一層複雑にさせていくストーリーに引き込まれ

雷という自然現象を神の怒りという古来からの感覚と合わせ事件を神秘的なものに感じさせます。

誰かを守りたいという思いで紡がれた秘密が解決とともに解かれていき

最後は、家族の尊さ、友人の有り難さを感じさせ感動のミステリー作品でした。

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